「モチベーションを高める最大の要因は、賃金だよ。」 | ||
【解答例】
モチベーションを高める要因には、“ハイジーン要因”と“モチベータ要因”の2つがある。
@ハイジーン要因
“ハイジーン要因”とは、一定水準を下回っていると不満を覚え、ヤル気が欠乏し、生産性が低下するが、一定水準を超えてもヤル気や生産性が高まるわけではない要因のことである。
例えば、賃金、労働時間、休日、福利厚生、経営・雇用の安定性、職場の安全・衛生、通勤のしやすさなどがハイジーン要因である。
もちろん、労働者の欲求の観点からいえば、これらをたくさん与えられることを望むであろう。
しかし、生産性向上の観点からいえば、これらは一定水準を満たしておけばよい、ということになる。
ハイジーン要因を与えるのは、会社の役割である。
Aモチベータ要因
“モチベータ要因”とは、与えられるほど満足を覚え、ヤル気が湧き、生産性が高まる要因のことである。
例えば、仕事そのものの楽しさ、与えられる裁量の大きさ、達成感・自己効力感・有能感の大きさ、能力開発・キャリアアップ・成長の大きさ、他者からの承認・評価・賞賛、表彰・昇格・昇進などがある。
なお、賃金を評価結果の反映として捉えると、これはモチベータ要因だとも言える。
モチベータ要因を与えるのは、管理者および自分自身の役割である。
A課長は、ハイジーン要因ばかりを期待して会社に依存するのではなく、管理者としてモチベータ要因を高める役割を果たし、部下のモチベーションを高めていかなければならない。