2020年3月号 <新型コロナウイルス感染症等の パンデミック対策> |
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中国で新型コロナウイルス感染症の発生が報告されてから、世界各地で患者発生報告が続いています。世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルス関連肺炎の発生状況が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC:Public Health Emergency of International Concern)」に該当すると発表しました。これを受け、我が国も、新型コロナウイルス感染症を、感染症法に基づく「指定感染症」および検疫法に基づく「検疫感染症」に指定しました。 2月21日現在、我が国の複数の地域で、感染経路が明らかではない新型コロナウイルス感染症の患者が発生しています。全国的な感染拡大を防止するためには、各人が手洗い・うがい・マスク着用を行い、風邪や発熱などの軽い症状が出た場合には、自宅で療養することが重要です。また、企業も、会議や研修の実施方法の変更、移動方法の分散、リモートワークの実施や、労働者が休みやすい環境の整備などの対策を急がなくてはなりません。 そして、実際にパンデミック(感染症の大規模な流行)が起きた場合、欠勤者の増加、通勤手段の確保困難、資金繰りの悪化、原材料・物資の確保困難、製品の供給困難など、企業活動に大きな影響を及ぼすことが想定されます。そのような状況になっても、企業は、従業員を感染から守り、事業を継続していかなくてはなりません。政府も、ダメージを被る企業への支援策を打ち出しています。 本号では、「新型コロナウイルス感染症等のパンデミック対策」を特集しています。 解説編 1 新型コロナウイルス感染症とは ○新型コロナウイルス感染症はどのように感染するのか ○感染を予防するために注意すべきこと ○どのような場合に重症化するか 2 新型コロナウイルス感染症への企業の対応 ○発熱などの風邪の症状がある人への対応 ○感染が疑われる人への対応 ○感染防止のためのテレワークや時差通勤の導入 ○感染疑いのある労働者の年次有給休暇取得の取り扱い 3 新型コロナウイルス感染症の事業継続計画のポイント (日本マネジメント総合研究所合同会社 理事長 戸村 智憲) ○パンデミックに備えたBCPの特徴 ○平時・危機時において特に重要なパンデミック対策 ○海外勤務者の退避や出張見合わせの判断 ○新型コロナウイルス感染症の情報収集をする上での注意点 ○SNSのフェイクニュースやデマに対して気を付けること 4 感染防止策と事業継続計画 ○従業員の感染防止のための対策 ○備蓄の仕方 ○BCP(事業継続計画)の策定と運用 5 感染症と人事労務の法的留意点 (井上克樹法律事務所 弁護士 井上 克樹) ○感染症による就業禁止と休業手当の支払い ○感染した疑いのある従業員への医療機関受診命令 ○マスクの着用や予防接種を義務づけることは可能か 6 テレワークの概要と導入のポイント ○テレワークの導入プロセス ○労働基準関係法令 ○作業環境管理 資料編 事業継続計画への取り組みの実態 ○リスクを想定した経営 ○想定しているリスク ○事業継続計画の策定状況 判例編 従業員の病気をめぐるトラブル ○自宅治療命令と賃金支払義務 ○HIV感染症の従業員に対する就労拒否 |