2019年10月号 <シニア社員の活躍推進> |
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日本型雇用の前提となっていた新卒採用は、中小企業ではほとんど絶望的な状況です。慢性的な人材不足の中で人材を確保するためには、女性や高年齢者や外国人など、これまで積極的に活用してこなかった労働市場に目を向けるしかありません。そしてせっかくなら、仕事・人間関係の両面において、すでに自社にマッチしている人材を活用したいものです。 ただし、これまで積極的に活用してこなかったのには、それなりの理由があります。活用に困難をきたす問題点については、労使で前向きに解決していかなくてはなりません。 高年齢者についていえば、年金支給開始年齢の引き上げにより、働き続けることを希望する者は確実に増えています。ところが、シニア社員を活用する上では、「再雇用後の処遇の低下・役割の変化等により、モチベーションが低下する」、「自社において、活用する職務・ポストが不足している」、「自社組織の新陳代謝が低下している」ことなどが問題点として挙げられています。 シニア社員に継続的に活躍してもらうために、企業は、そして社員は、どうすべきなのでしょうか。 本号では、「シニア社員の活躍推進」を特集します。 解説編 1 高年齢者の雇用ルールと、雇用状況の実態 ○65歳までの高年齢者雇用確保措置 ○企業が実施している雇用確保措置の内容 2 シニア社員の心理・知能の変化 (筑波大学大学院 教授 大川一郎) ○中高年齢期の発達課題と葛藤 ○心理の変化…否定的な変化は「有限性の自覚」「時間的展望の狭まり」など、肯定的な変化は「自己確立感の増大」「安定感の増大」など ○知能の変化…加齢に応じて後退する知能と、高年齢期まで発達・維持される知能 3 シニア社員の活躍に必要な能力 (中央職業能力開発協会) ○シニアのキヤリア・シフト・チェンジに必要な能力 ○態度・行動・スキル ○能力診断と能力開発 4 年上部下のマネジメントのポイント ○年上部下のやりづらさ ○年下上司のやりづらさ ○上司側に求められる取り組みの3つのポイント ○部下側に求められる取り組みの2つのポイント ○企業に求められる教育、配属、評価・面談など 事例編 シニア社員の活躍推進への取り組み ○USEN-NEXT GROUP ○レンゴー ○潟tァンケル ○国際興業 ○潟鴻bク・フィールド ○潟Wャックス ○潟|ーラ 資料編 シニア社員の活躍推進の実態と、社員の意識の実態 ○高年齢社員の活躍にあたっての問題点 ○役職定年制の導入状況と今後の予定 ○継続雇用者を配置するにあたっての配慮 ○継続雇用者の賃金水準 ○継続雇用者に対する人事評価の実施状況 ○社員が60歳以降も働く理由 ○社員が希望する60歳以降の働き方 判例編 再雇用の労働条件をめぐるトラブル ○定年退職前と再雇用契約後の労働条件の相違 ○正社員と再雇用社員との労働条件の相違 |