2019年8月号<パワハラ・モラハラ予防>


吉本興業や国会議員によるパワハラ(パワーハラスメント)の問題が世間をざわつかせています。たとえパワハラを行ったのが個人であっても、対策を怠った組織の問題にまで発展するのです。

これまで、企業に対するパワハラの法規制はありませんでしたが、2019年5月29日に成立した「改正労働施策総合推進法」などの関連法を受け、パワハラ防止は企業の義務となります(法の施行は2020年4月予定)。

パワハラやモラハラ(モラルハラスメント)の背景には、感情をコントロールする能力やコミュニケーション能力の未熟さといった個人要因がある一方で、職場コミュニケーションの希薄化や長時間労働などの職場環境要因もあります。

本号では、パワハラ・モラハラの予防策を探ります。




解説編
1 パワーハラスメントの概要

○パワハラのリスク(被害者・行為者・企業)
○パワハラの判断要素・発生要因・解消法
○企業が取るべき措置

2 パワハラのスピルオーバー(波及)効果
(潟Nオレ・シー・キューブ 顧問 津野香奈美)
○パワハラが被害者の健康に与える影響
○パワハラが職場のメンバーに与える影響・理由
○上司のリーダーシップとパワハラ発生の可能性

3 パワハラにならないためのアサーションのポイント
(IPI統合的心理療法研究所 顧問 平木典子)
○コミュニケーションの3つのタイプ
○アサーティブになるための5つのポイント
○ビジネスにおけるアサーション

4 パワハラに発展しうる怒りの正体
(創価大学 教育学部教授 園田雅代)
○怒りを我慢していると…
○期待することと怒ること
○怒りの表現(攻撃的な表現・適切な表現)


5 怒りのコントロール
(日本アンガーマネジメント協会 代表理事 安藤俊介)
○怒り感情が発生するまでのステップ
○アンガーマネジメントの3つのパーツ
○人材育成とアンガーマネジメント


6 カスタマーハラスメント対策
(潟Gス・ピー・ネットワーク 総合研究部部長・上席研究員 西尾晋)
○カスタマーハラスメントの実態
○カスタマーハラスメントによる4つのロス
○カスタマーハラスメント対策への取り組み方




資料編
1 企業のパワハラ対策と従業員のパワハラ体験の実態

○パワハラの予防・解決のための取り組み
○パワハラ相談件数の変化
○相談窓口に寄せられるテーマ
○パワハラ経験の有無

2 職場のコミュニケーションの実態
○職場で不足しているコミュニケーション
○職場のコミュニケーションの阻害要因
○職場のコミュニケーションの円滑化への取り組み




判例編
パワハラをめぐるトラブル
○感情的になり暴言を吐いたことはパワハラか
○パワハラ行為者に対する懲戒処分は有効か



連載編
賃金の諸相(明治学院大学 名誉教授 笹島芳雄)
第34回 賃金と物価・生産性