2018年4月号 <裁量労働制の現状>

政府が今国会に提出予定の「働き方改革関連法案」には、当初、「企画業務型裁量労働制に関する見直し」(企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大や、裁量労働制適用労働者に対する健康・福祉確保措置の充実)が盛り込まれていました。

ところが、今年2月に「一般労働者と裁量労働制で働く労働者の労働時間の調査(2013年、厚生労働省)」のデータに誤りが発見され、「企画業務型裁量労働制に関する見直し」は法案から削除されることとなりました。

とはいえ、少なからぬ企業や労働者が、時間にとらわれない働き方の選択肢の拡大や、それに伴う健康・福祉確保措置の拡充を望んでいることに変わりはありません。

本号では、裁量労働制の現状について特集しています。



解説編
1 裁量労働制の概要と労使の見解

〇専門業務型裁量労働制の概要
〇企画業務型裁量労働制の概要
〇裁量労働制・労働時間規制に関する労使見解


2 裁量労働制・高度プロフェッショナル制度と通常の労働時間制の相違点
〇労働時間の弾力化のための制度
〇裁量労働制の対象業務
〇高度プロフェッショナル制度のメリット・デメリット
〇フレックスタイム制の活用



資料編
1 裁量労働制運用企業の実態

〇裁量労働制の導入割合
・企業割合
・適用労働者割合
〇裁量労働制の運用
・裁量労働制の導入のきっかけ
・導入の際の負担
・裁量労働制のみなし労働時間と実労働時間
・みなし労働時間の根拠としているもの
・裁量労働制で働く労働者に対する出勤・退勤時刻の適用
・裁量労働制で働く労働者に対する仕事の指示・進捗把握
・裁量労働制で働く労働者に適用している評価制度
・裁量労働手当の金額
・裁量労働制で働く労働者に対する健康・福祉確保措置
・裁量労働制導入の効果
・裁量労働制の適用業務の範囲への希望

2 裁量労働制適用労働者の実態
〇働き方の性質
〇仕事の性質
〇仕事による家庭生活・健康への影響
〇裁量労働制の適用に不満な点


判例編
裁量労働制の対象業務や採用手続きをめぐるトラブル

〇税理士の補助業務スタッフは専門業務型裁量労働制の対象となるか
〇専門業務型裁量労働制の導入は有効か



連載編

賃金の諸相(明治学院大学 名誉教授 笹島芳雄)
第19回 65歳定年制と賃金(2)