2016年11月号<慢性疾患の従業員の就労対策>

労働力の高齢化に伴い、疾病を抱える労働者は増加することが見込まれます。
しかし、医療の進歩によって、必ずしも「罹患=即離職」という状況ではなくなってきています。

企業は、人材確保のためにも、社会的責任遂行のためにも、疾病を抱える従業員の雇用・活用に対応する必要が増えていくと予想されます。

本号では、「慢性疾患の従業員の就労対策」を特集しています。



解説編

1 慢性疾患の従業員の就労対策


○病気を抱える従業員を取り巻く現状
・病気を抱える従業員の92.5%が「仕事を続けたい」と考えている
・従業員の治療と仕事の両立に向けた企業の取り組み状況
○病気を抱える従業員の就労継続のために企業ができること
・留意事項
・環境整備
・両立支援の進め方
・特殊な場合の対応


2 がん患者の就労対策


・企業におけるがんを罹患した従業員への対応
・就労上の課題


3 糖尿病患者の就労対策


・糖尿病の症状(自覚症状はなし/合併症発症)
・糖尿病の治療(食事療法/運動療法/薬物療法)
・治療・通院・インスリン注射が必要になる場合
・仕事と糖尿病治療の両立は難しい
・健康診断結果の有効利用
・治療・通院時間の確保


4 肝炎患者の就労対策


・肝炎とは(主なウイルス/症状/進行)
・肝炎の治療(B型肝炎/C型肝炎)
・肝硬変になると通常勤務が困難になることも
・職場の理解促進


5 若年性認知症患者の就労対策


・若年性認知症とは、65歳未満で発症する認知症 
・若年性認知症患者の従業員の作業能率低下
・企業としては障害者の法定雇用率へのカウントが可能になる場合も


6 慢性疾患の従業員の雇用管理の法的留意点


・病気の労働者に対して、使用者はどのような責任を負うか。
・病気を抱えていることで、以前と同じボリュームの仕事ができなくなった場合、労働条件(雇用形態、賃金など)の変更は可能か。
・本人の病気の状態から見て、業務に復帰させることができない場合は、どうすればいいか。
・治療のために利用できる労働時間制度はあるか。



資料編

従業員の罹患への対応


・社員からの治療と仕事の両立に関する相談受付の方法
・メンタルヘルスや私傷病などに関する教育・研修制度の有無
・勤務時間制度の有無および疾病治療のための制度利用
・メンタルヘルスや私傷病に罹患した社員の継続就業状況



判例編
糖尿病患者の合併症発症は業務に起因するか


連載編

賃金の諸相(明治学院大学 名誉教授 笹島芳雄)
第2回 注目される最低賃金(2)