2016年10月号<怒りのコントロール>

人間が生きていく中で、“怒り”の感情は避けられません。不安な状況、不快な扱い、不満な環境、納得できない出来事などに遭遇したとき、“怒り”は自然と沸き起こる感情なのです。

ただ、“怒り”の感情に乗っ取られた状態のままでは、カッカして冷静な判断ができず、イライラして生産性が低くなり、困った状況を打開することができなくなります。問題解決に至らないばかりか、ストレスによるフィジカル・メンタル不調や、攻撃による人間関係崩壊といった新たな問題も生じさせかねません。

逆に、“怒り”の感情に支配されず、そのエネルギーのみをプラスに活用すれば、難局を乗り越えることも可能なはずです。

本号では、『怒りのコントロール』について特集しています。



解説編

1 怒りと思い込み

 (取材先:創価大学 教育学部 教授 園田雅代氏)

・“怒り”とは何か
・怒りの感情表現は忌避すべきものか
・相手や環境に期待しなければ、怒りを感じずにすむか。
・怒る人と怒らない人との違いは何か
・どのように怒りを表現すればいいか
・怒りを適切に表現する「DESC法」とは


2 怒りの心身への影響

(取材先:日本健康心理学会 専門健康心理士 喜田智也氏)

・怒りが喚起されることによる心身への変化
・怒りを長期間持続させることによる心身への影響
・怒りを我慢することと表出することの健康への影響
・健康に良い「怒りの扱い方」


3 怒りのコントロール方法

(取材先:日本アンガーマネジメント協会 代表理事 安藤俊介氏)

・「アンガーマネジメント」とは
・怒り感情の発生までの3つのステップ
・怒り感情に支配される・行動することのデメリット
・3つのコントロール(衝動・思考・行動)
・人材育成におけるアンガーマネジメント
・近年、アンガーマネジメントが注目されている理由



資料編

怒りの職場への影響


・怒りの感情が業務に及ぼす影響
・上司に怒られたことは「パワハラだと思う」は53.8%、その理由は「無視した」「口汚く罵った」など
・部下に怒ったことは「パワハラだとは思わない」が66.3%
・上司に怒られた後は「仕事のモチベーションが低下」
・怒られた部下は、その感情を「1年以上」持ち続ける
・上司と部下のコミュニケーションに関する意識
・職場のパワハラの実態
・職場のパワハラの内容
・パワハラに関する相談がある職場に共通する特徴
・パワハラの予防・解決のために実施している取り組み
・管理職として避けるべき行為
・怒りや悲しみなどの感情の持続時間




判例編
1 上司への反抗・揶揄・愚弄を改めない社員の解雇
2 接客態度不良・能力開発意欲不足の社員の解雇
3 勤務態度不良の社員の再雇用契約の更新拒否



連載編

【新連載】賃金の諸相(明治学院大学 名誉教授 笹島芳雄)
第1回 注目される最低賃金(1)