2015年6月号<中小・中堅企業の2016新卒採用>

これまでの新卒採用スケジュールは、大手企業の採用活動のピーク(4月〜5月)後に、中堅・中小企業の採用活動が本格始動する(6月〜)のが一般的でした。

しかし、政府要請を受けて経団連が発表した『採用選考に関する指針』に沿った大企業は、今年より、採用広報活動開始を大学3年生の3月に、選考活動開始を大学4年生の8月に後ろ倒ししました。これにより、中堅・中小企業の多くが、「大手企業が採用活動を終了した頃に採用を始めると、我が社が求めるレベルの学生は残っているだろうか」、または「大手企業より先に採用内定を出したところで、もし大手企業から内定が出たら、我が社の内定は辞退されるのではないだろうか」といった不安を抱えています。そこで、内定者を囲い込むために、就職活動の終了と自社への入社決断を強要してしまうと、「おわハラ」(就活終われハラスメント)と叩かれる恐れがあります。

その上、今年の新卒採用は売り手市場となっており、中堅・中小企業は例年に増して苦戦を強いられることになると思われます。

本号では「中堅・中小企業の2016 新卒採用」を特集しています。



解説編

中堅・中小企業の2016新卒採用のポイント

・売り手市場の2016新卒採用
□2015年の大卒者の就職率は96.7%
□2016年の大卒予定者の求人倍率は1.73倍
□求職者は首都圏や大手企業に集中
・採用活動の後ろ倒し
□「従来の活動時期」と大手企業の「新たな活動時期」
□採用活動時期の2分化が中堅・中小企業に与える影響
・中堅・中小企業の2016新卒採用の留意点
□求める人材像は具体的に
□条件に優先順位をつける
□知名度以外の自社の魅力の明確化
□採用活動の広報手段
□会社説明会で入社動機を創出する
□経営トップや先輩社員の登場は魅力的
□面接官の対応に気をつける
□内定の出し方は印象的に
□内定者フォロー は例年に増して重要
□「おわハラ」と捉えられないよう注意が必要   など


資料編

@企業の新卒採用活動

・新卒採用を行っている企業は45.6%
・新卒採用活動の終了見込み時期は、「2016年1月〜3月末頃まで」「2015年10月〜12月末頃まで」など
・採用活動時期の変更は、「良い影響と悪い影響は同じくらい」、「影響はない」が同程度
・採用活動時期の変更の良い影響は「より質の高い者の応募・採用が見込めそう」がトップ
・採用活動時期の変更の悪い影響は「応募者1人あたりにかけられる時間が少なくなりそう」「採用担当者の負担が大きくなりそう」 など

A学生の就職活動
・志望企業を選定する際に重視する項目は「事業内容」や「会社・社員の雰囲気」など
・志望業界や企業を選定するために利用する情報媒体は「企業のホームページ」「個別企業の説明会・セミナー」「就活ナビサイト」 など

B就職に対する親の意識
・子供の就職活動に関心のある保護者は約7割
・子供の就職活動の支援内容は、「資金的な援助」がトップ など


判例編

@採用内々定の取消しは労働契約締結過程における信義則に反するか
A入社前研修の欠席等を理由とする採用内定取消しは違法か


連載編

@ 歌に見る日本人の心(日本人事労務研究所 所長 久保淳志)
第2回 「4月7日の桜」と日本人の絆

A 公正な賃金(明治学院大学 名誉教授 笹島芳雄)
第85回 非正規社員の公正処遇(3)