2015年3月号<海外派遣のリスク対策>

経済のグローバル化に伴い、日本企業の海外進出が加速しています。同時に、日本人を狙った誘拐やテロ等のリスクも高まっています。
企業がこうしたリスクの正確な把握と適切な対策を怠れば、従業員とその家族を危険にさらすことになります。また、有事の際には、企業が安全配慮義務違反を問われることにもなりかねません。さらには、海外赴任希望者のモチベーションも萎え、グローバル人材の採用・育成にも支障をきたしてしまいます。
本号では「海外派遣のリスク対策」を特集しています。



解説編

@ 海外で日本人が巻き込まれた事件

□海外進出している日系企業の拠点数は63,777拠点
□海外在留の日本人数は1,258,263人
□海外で事件・事故に巻き込まれて援護された日本人は19,746人
□日本人が巻き込まれた事件・事故は「窃盗事件」がトップ
□日本人・日系企業が被害にあった主なテロ事件                    など

A 海外での脅迫・誘拐対策
□海外脅迫事件は、どのくらい発生しているか?
□脅迫には具体的にどのようなものがあるか?
□脅迫事件や誘拐事件の被害者とならないためには、日頃どのような点に注意しておく必要があるか?
□脅迫を受けたときは、どうしたらよいか?
□誘拐された人が解放された場合、周囲の人間が留意すべきことは何か?         など

B 企業の海外リスク対策
□・危機発生前
・リスクマネジメント推進組織の設置
・情報収集・分析・伝達機能の充実
社内システムの構築・マニュアル類の整備
□危機発生時に留意すべき点
・基本方針・行動指針などに沿った対応が重要
・客観的な判断基準を事前に明確化しておく
□危機発生後
・危機対応の問題点・改善点を現状の体制にフィードバック               など

C 国別のリスク対策
□諸外国の犯罪の傾向や日本人の被害事例、防犯対策などを紹介
・現在、「退避勧告」が出ている国(アフガニスタン・イラン・イラク・イエメン・シリア・南スーダン・マリ・リビア・中央アフリカ・ニジェール・ソマリア)
・日系企業の拠点が多い国(中国・アメリカ・インド・タイ)               など


資料編

企業の海外リスク対策の実態
□海外安全対策に関する日本側(本社等)の組織・体制
□海外安全対策の組織・担当者を配置している理由は「緊急時に迅速、適切に対応するため」がトップ
□海外安全対策マニュアルの整備状況
□外安全情報の入手先は「外務省(含官民協)」がトップ
□海外安全に関して特に重点を置く項目は「海外安全情報の収集と分析」がトップ      など


判例編

海外出張とくも膜下出血死との因果関係



連載編

@ 連載 ―効果的な人材育成と自己啓発のすすめ方(日本人事労務研究所 所長 久保淳志)
第25回 人類が生んだ最大の教師ソクラテスに学ぶ(25)

A 連載 ― 公正な賃金(明治学院大学 名誉教授 笹島芳雄)
第82回 ホワイトカラー・エグゼンプションと公正賃金(3)